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『ロッキー』を観た話-映画感想-クリーム日記

※この記事は、表題作品の「小ネタのネタバレはあり」「本筋に関わる大きなネタバレはなし」でお送りしています。

はじめに:『ロッキー』とは

『ロッキー』は1976年に制作されたアメリカ映画。

70年代フィラデルフィアのさびれた街並みを舞台に、シルベスタ・スタローン演じる三十路の崖っぷちボクサー「ロッキー」が再起をはかるべく、チャンピオンであるアポロに挑むという物語です。

『ロッキー』は長いシリーズで、後継作「クリード」となり現在も続いている、世界中に大ファンがいる超有名な作品です。団塊世代以上なら、リアルタイムで観ているかたも多いのではないでしょうか。

『ロッキー』:名前は知っててもちゃんと観てなかったりするよね

しかし、『ロッキー』、名前は知っててもちゃんと観てなかったりするよね。若い世代になるほど、名前しか知らなかったりするのではないでしょうか。

テレビ「日曜洋画劇場」などでも、昭和・平成の頃はシリーズを通して何回も放送されていたため、わたしは父が観ているのを横目でぼんやりと眺めていた記憶があります。

…なのに、自分から進んでは観なかったんだよね。この年齢(40代)になるまで。理由は、まんがのほうに描いた通り、「マッチョなスタローンがボクシングをする男の世界の話」と想像していたからです。

わたしはスポーツや観戦に興味の薄い女で、マッチョな男性も特段好みではないし。

映画の趣向も「登場人物の内面描写や関係性の炙り出しが秀逸なドラマ性の高い作品」や「舞台やファッションがおしゃれな作品」などを好んで観ているため…ロッキー、全然かぶらないじゃん。

それでも今回観たのは理由があって、まず、Amazonprimeで無料視聴が終了しそうだったこと。それから、たまたま暇だったこと。

そして、ボクシングを主題とした映画って良いものが多いのでは…?とうすうす感じていたからです。「ミリオンダラー・ベイビー」や「百円の恋」、素晴らしかった。大好き。

で、前置きが長くなりましたが、『ロッキー』観ました。そして、続けて『ロッキー2』『ロッキー3』『ロッキー4/炎の友情』も連続で観ました。

どういうことかわかりますね。

結論、すごく刺さりました。素晴らしかった!大好き!

以下に、シリーズの始まりである1の感想を箇条書きでまとめてみました。

『ロッキー』感想(箇条書き)

・前提として、1975年のアメリカ、さびれて色あせた風景がタフで格好良く、
平たく言ってとてもエモい。
ついでに人々のファッションもいい雰囲気で、
画面を観ていて飽きない。70年代、生まれる前だもんなぁ。


・ロッキーは熱血!スポ根!というより淡々として不器用で一生懸命な愛すべきキャラクター。

・恋愛パートが思いのほか多い。ヒロインである極端に無口な女の子、エイドリアンとのやりとりが面白い。

男性優位な印象の物語なので、正直、ヒロインは王道な性格(タッチの南ちゃんみたいな?)の美女だと思ってたんだけど、癖のあるキャラで。

・前半のエイドリアンとのくだりで「あれ?この映画面白いのでは…?」という確信が深まる。

・エイドリアンの兄(ロッキーの親友らしい)を始めとする登場人物がいちいち乱暴で物言いが雑。

「もっと上手いコミュニケーションしなよ…言い方!」と突っ込みたくなるやりとりばかりが展開される。でも、昔の労働者階級の男性たちなので、まぁ、そうだよね。

・後半になって、有名な生卵のシーン来たる。飲み方がこれまた雑。「何個入れるんだよ!服についてるがな!」とまた心の中で突っ込む。

・と、ほほえましく観ていたら、これまた有名なフィラデルフィアを走るシーンから、キモであるアポロとの試合に突入。

・あまりにもリアリティのある殴り合いと直球の頑張りに魅せられて、号泣…!なんだこれは、うわぁ、エイドリアーン!!!…終わり方もズバッとしていて潔く、最高です。

まとめ:興味ない人でも一度は観てみてと言いたくなる名作

まとめると、『ロッキー』は、興味ない人でも一度は観てみてと言いたくなる名作映画でした。

前項で、わたしの映画の趣向は「登場人物の内面描写や関係性の炙り出しが秀逸なドラマ性の高い作品」と「舞台やファッションがおしゃれな作品」と申し上げましたが、実際に観てみると『ロッキー』当てはまるよね…。

本当、観る前のイメージとかなり違ったので、「スポーツ根性」みたいな言葉に引いてしまうタイプの人も楽しめる内容でした。

映画史に残る作品なだけあり、ボクシングのルールを詳しく知らなくても、ロッキーの置かれたどうしようもない現状をそのパンチで、その熱量で打破してほしくて、観ているこっちもどうしようもなく白熱してしまう。

それは、囲碁を打てなくても「ヒカルの碁」を面白いと感じることと同じで、ルールが試合がという以前に、ロッキーをはじめとするキャラたちが本気で生きて戦う姿を応援したくなってしまうのです。

また、体力の限界や自分のピークについて想うところのあるアラフォー以上の人や、少し飛躍するけど、個人事業主の人も気持ちを乗せられるのではないでしょうか。どっちもわたしのことやないか。

なぜなら、ボクシングはたったひとりで相手と、自分自身と向き合うスポーツだから。人が生きている中でひとりで向き合わなくてはならない人生のあれこれ…を重ねやすいんですよね。

ちなみに、2、3と観ていくと、ロッキーのマネージャーのおじいさんや、ライバルのアポロが大好きになる展開が待っています。4,5年ごとに新作が出ているのか、時代も次々と進んでいって、80年代以降のカルチャーにも見どころあり。

わたしも5以降も追って観ていく予定です。みなさんも観てみてね!

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